魔人シリーズ@林トモアキ

なお、大賞に選ばれたイラストレーターさんには、10月30日発売の「ザ・スニーカー12月号」にて、林トモアキ先生の読切小説の挿絵と特集用カラーイラストをお願いすることが決定しました!

イラスト コミュニケーションサービス[pixiv(ピクシブ)]

林トモアキ先生・・・だと・・・
みなさんさようなら(挨拶)。ラノベ大好きナゾレンです。先日も友人から借りた「生徒会の一存」を読み終えたところです。ギャグが秀逸で面白かった。
そんな僕が一番好きなラノベ作家が、「アドリブの伝道師」こと、林トモアキ先生なのですよ!
「ばいおれんす☆まじかる」「お・り・が・み」「戦闘城塞マスラヲ」「レイセン」「ミスマルカ興国物語」と、共通した世界観を持つ「魔人シリーズ」の作者で、新作が出るごとに進化していく文章構成、巧みな演出、熱い展開、散りばめられた伏線、大風呂敷、大人の世界のリアルなドス黒さ!(なんか最後おかしいけど本当だから困る)が売りの作家さんです。
そして何より凄いのが、それらすべてが「アドリブ」ということ!
そんな感じで、僕は「マスラヲ」からこの作者さんの作品にドハマリしたわけですが・・・。何と言いますか、あまり有名ではない感じなんですよね。
ミスマルカ興国物語」が書店ランキングに載るほどに沢山売れて、増刷もすごい早くに行われてたのですが、ファンの間では「何かの間違いじゃないのか!?なんでこんなに売れてるんだ!?」と素直に喜べずに疑ってかかるくらいにはマイナーだったのですよ。
ですが、最近は徐々に人気が拡大しつつあるようで、「お・り・が・み」からのファンとしては感慨深く云々・・・と、「俺はこの作品がマイナーだった頃から目を付けてたぜ!」と大ヒット作品の古参ファンぶったことを言ってみる。

「お・り・が・み」シリーズ

お・り・が・み 天の門 (角川スニーカー文庫)

お・り・が・み 天の門 (角川スニーカー文庫)

全7巻。脅威のアドリブ性、大風呂敷はここから始まったと言うべき魔人シリーズ一作目。借金のカタに売られた少女が成長・・・もとい、やさぐれていくお話(だいたいあってる)。詳しいあらすじは角川の商品ページをご覧ください。wikipediaはネタバレの宝庫なので、見ない方がいいです。
公式に「超展開シリーズ」と銘打たれるくらいに超展開の連続で、作者自身、あとがきで「この作品はアドリブで書いている」と公言しちゃってます。にも関わらず、ちゃんと話がまとまって、最終巻までサラッっと違和感なく読めるから凄い。
ただ・・・明らかに、一つだけ回収し損ねてる伏線があるのは、触れないのがお約束。

戦闘城塞マスラヲ

全5巻。個人的には一番好きな作品で、この小説からハマりました。魔人シリーズ二作目で、「お・り・が・み」の続編。続編ですが、「お・り・が・み」を読んでなくても十分に楽しめます。
目つきの悪さが原因で、就職活動に失敗(履歴書の写真だけで面接を断られる始末)し、ヒキコモリになった主人公川村ヒデオが、拾ったPCに取りついていた電子精霊ウィル子に出会い、負け犬返上を目指して戦っていくお話。
前作に比べるとストーリーがまとまっていて、非常に読みやすくなってますが、風呂敷の大きさ、アドリブ性は健在。前作を読んでいればニヤリと出来る箇所もあり、読んでなくて問題無い程度のさじ加減も絶妙。むしろ、前作を読みたくなるような巧妙な演出がしてあります。パロディも多く、ギャグ物としても面白いです。絶望先生ネタもあります。

ミスマルカ興国物語

ミスマルカ興国物語〈1〉 (角川スニーカー文庫)

ミスマルカ興国物語〈1〉 (角川スニーカー文庫)

現時点で5巻まで刊行。作者の出世作とも言えるかもしれない魔人シリーズ三作目。
見事としか言いようがないストーリー構成。これはさすがに先の先まで展開を考えて書いてるんだろうと思ったら、またしてもアドリブの産物だったと作者は語る。もう逆に凄すぎて何も言えないレベル。この凄さを感じてもらうには読んでもらう他に手はないと思います。
これまでの作品と世界観は一緒ですが、"続き"というにはちょっと違い、全く別の世界観となってます。・・・矛盾してますが、本当なんです。様々なところでこれまでの作品とリンクしており、その度に旧作ファンに驚きと疑問を湧かせます。マスラヲは前作と明確なつながりがありましたが、こちらは本当に「前作を読まなくても何の問題もない」レベルです。
そして、この作品にて、強烈なインパクトを残し、沢山の支持者を生み、スニーカー編集部にとんでもない企画を作らせることになる"自由の騎士"が登場します・・・。

「ばいおれんす☆まじかる」

ばいおれんすまじかる!―九重第二の魔法少女 (角川スニーカー文庫)

ばいおれんすまじかる!―九重第二の魔法少女 (角川スニーカー文庫)

3巻まで刊行。完結はしてないけれど、4巻が出ない状況・・・。作者のデビュー作。
ファンの間でも評価が分かれてます。個人的には面白いと思いますが、それでも他の作品に比べると「んー・・・」と思うところがあったり。これを読んでからミスマルカを読むと、作者が小説家としてどれだけ成長しているかが垣間見えます。
魔人シリーズには含まれてませんが、世界観は一緒。「おりがみ」とリンクしてるシーンもしばしば。時系列的には「おりがみ」と並行してます。噂では、4巻の内容はほぼ決まってるけど、発表する機会がないそうで。一応、3巻まででも話はまとまってますが、まだ"完結"って感じではなく、正体が微妙に謎のままのキャラもいるので、早く続きが読みたいところ。
現在、新品での入手は困難。僕は古本屋を練り歩いて入手しました。

レイセン

the Sneaker (ザ・スニーカー) 2009年 06月号 [雑誌]

the Sneaker (ザ・スニーカー) 2009年 06月号 [雑誌]

ザ・スニーカーで連載中。最新3話。「戦闘城塞マスラヲ」の続編にして、魔人シリーズ最新作。
作者が冗談で言ったはずが、うっかり企画が通って開始という、いろいろと凄い作品。「マスラヲ」では登場しなかった「おりがみ」のキャラがこちらで登場したりと、「マスラヲ」以上に「おりがみ」とのつながりが深い作品。前作でイラスト化されなかったキャラがこちらでイラスト化されたりもしてます。
「マスラヲ」「おりがみ」と違い、一見様お断りな作品。「マスラヲ」とひとくくりに考えた方がいいです。


と、簡単に作品の紹介をしてみました。ちなみに現在、「ミスマルカ興国物語」と「戦闘城塞マスラヲ」が漫画化されており、それぞれが少年エースヤングエースで連載しているので、小説よりも漫画の方が好きな方はこちらから読んでみるのも手だと思います。
個人的なオススメは
「マスラヲ」1巻or「ミスマルカ」→「おりがみ」→「マスラヲ」→「ミスマルカ」
の順番。「ばいおれんす」は読んでも読まなくてもどっちでも(ry
「おりがみ」は先ほど書いたように超展開の連続で、少々人を選ぶ傾向があるので、数巻続けて読んだ方がいいという意見が多数あります。なので、入口としては「マスラヲ」「ミスマルカ」の方が入りやすいと思います。

興味を持った方がいたら是非読んでみて欲しいです。