静かな兵器

※KZB27巻のネタバレを含みます
第294廻「LAST TEST SHAMAN FIGHT」シルバのセリフについて。
葉とシルバの最期の戦い。最期の試験。成長した葉を前にしたシルバのモノローグ。

あの日 あの場所で出会った少年が シャーマンキングを目前に 今 ここにいる
私にとってこれ程嬉しいことはない
今日は死ぬには良い日だ

この言葉が、葉のキャラクターソングの歌詞だという意見をネットで見かけ、「そういえば」と気付きました。一発で気付けなかった僕はまだまだ修行が足りないようです。
そのキャラクターソングは「歌の万辞苑」に収録されている「SILENT WEAPON(ASAKURA-YOH VER.)」。該当部分はサビの歌詞。

いつかの月曜の朝 祖父が呟いた
『今日は死ぬにはいい日だ』と
そう 確かに

この曲、タイトルに(ASAKURA-YOH VER.)とあるように、元は違う人が歌っていました。原曲はアニメ放送開始前に発売された「コミックスイメージアルバム シャーマンキング」に収録されています。こちらは小林優美さんという方が歌っているのですが、原曲は葉Ver.と大きく異なる点があります。原曲はサビの歌詞が英語なのです。上記の部分はこうなっています。

I can remember it was Monday morning.
My old man was talking to me.
"Listen, sometimes it is a good day to die."
Sure, he said so.

この「it is a good day to die.」という言葉、聴くところによれば、元々インディアンの言葉で、インディアンが戦争に出るときの掛け声だとか。言われてみれば、この曲の歌詞全体が、「死へ向かう者の心情」を表しているように感じました。

"訣別の狼煙がたちのぼる"
"訣別の兆しが放たれる"
"旅立つ刻"
"黄泉の国にむかうのは すべてなしとげて それまで 心して生きよう"

今になってこの曲を聴くと、プラントでの十祭司戦にぴったりな曲だと感じました。
武井先生のこの演出は、ただの引用ではなく、インディアンとしての十祭司の心の在りようを表現した、見事な演出だと思います。1話限りの短いシルバ戦でしたか、とても心に残るものになりました。

グーグルで検索かけて調べ回っていると、こちらのサイトさんに辿り着き、読んでいて心に響くものを感じました。「it is a good day to die.」についてもわかりやすく説明されていたので、敬意を表しつつ引用させていただき、今回の記事の締めにしたいと思います。

インディアンの男達が戦争にでる時の掛け声(War cry)に、
英語で


「It's a good day to die」


という言葉があります。
直訳すれば、


「今日は逝くのにいい日だ」となりますでしょうか。


戦いを前に、
「名誉と自尊なくしては生きる価値などない。恐れを消し、勇気を与えよ。」
という意味が込められているそうです。


しかしまた、


「It's a good day to die」


の言葉には、そういう力強く、人の心を鼓舞する神々しい意味のほかに、


何か、とても「インディアンらしい」、


「自然の性に従順で、死を一つの当然の出来事としてとらえる穏やかさ」


というものを、私はを感じます。


なんと感動的なフレーズだと思いませんか?


この言葉には、人の日常を迷わせ、苦しませる、いかなる情も入ってはおらず、
私には、ただ、何となく、「どこまでも続く青い空」だけが見えてきます。
いつもこの言葉を聞くと、一人のインディアンが、空を見上げながらつぶやく。
それを思うのですよね。笑。

http://qoolife.exblog.jp/9384354/

僕は後向きな意味で「It's a good day to die」と考えることはよくあるのですが、いつかインディアンのように気高く、力強い意味で、「It's a good day to die」と叫べるようになりたいと思います。


シャーマンキング 完全版 27 (ジャンプコミックス)

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シャーマンキング ボーカルコレクション ?歌の万辞苑?

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シャーマンキング イメージアルバム

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