『未来日記-ANOTHER:WORLD-』ツッコミどころ満載だけど面白い

未来日記 (1) (角川コミックス・エース (KCA129-5))

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ドラマ版は賛否分かれるけれど、僕は結構好きです。
※8話までのネタバレを含みます


現在放送されている漫画『未来日記』の実写ドラマ版『未来日記-ANOTHER:WORLD-』の次の放送が待ち遠しい今日この頃。
もともと僕は"漫画の実写化"についてはあまり抵抗がない人間でして。
このドラマに関して言えば、原作の設定を受け継いでる部分もありますが、基本的に登場人物が原作とは別人であり、"原作のストーリーをドラマ化"している訳ではなく、"原作の設定を用いたスピンオフ"のようなものなのです。というか、原作のアレを実写でやるのは無茶でしょう。

元々、原作の"未来日記"の設定は実写ドラマでも通用するネタだよなーと思っていたので、今回の実写化は始まる前から楽しみにしていました。
ただ、2話まで見た段階で微妙な点が多く、しばらくは録画だけして見ない状態が続いていたのですが…。
1ヶ月近く間が空き、久々に3,4話から見てみると…何だこれ突っ込みどころも増えてるけど面白いな!と。
5話を見た後は続きが気になって一気に見てしまいました。原作の設定・展開を踏襲しつつも、原作とは違う設定、違う展開。突っ込みどころが多すぎるのもある意味原作を踏襲し(ry
原作通りではない故に先が読めず、日記の設定や世界観の理由づけも異なり、特にここ数話、続きが気になるエピソードが続いています。タイトルの『-ANOTHER:WORLD-』は、最初は原作とは違う世界観という意味合いだと思ってたんですよ。でも実際にはきちんとこの言葉にもドラマのストーリー的な意味合いが含まれていて、なるほどなあと。

紹介的な意味も込めて、原作設定との共通点、相違点をいくつか挙げつつ、感想的なものを書いていきます。

  • 登場人物の名前

主人公は「星野 新太」で原作とは全くの別人。ただ、父親の名前が「九郎」で原作と同一。ちなみにこの父親は妻や息子を守るために奔走するいい人です。原作のクズとは大違いだ…。
由乃は「古崎 由乃」で苗字が違いますが、原作と似たようで似てない少し似た設定。今週の放送で謎が明かされるそうで、かなり楽しみ。
「高坂 王子」だけフルネームで原作と同名のキャラクターがいますが、原作とはまったくの別人だったりします。

  • 日記所有者の設定

12人から7人に減っていて、由乃以外は原作と別人ですが、キャラの記号が共通してるのが数名(通り魔がいたり、刑事がいたり)。市長ではありませんが、ジョン・バックスポジションの所有者もいます。

個人的にこのドラマの一番ダメなところだと思ってるのですが、日記の性能が悪いんですよ…。原作だとかなり先まで予知できるのですが(まあ原作でこの設定が活かされたことって数えるくらいしかなかった気がしますが)ドラマだと1個ずつしか予知が出ないという。しかも大半が「いや、それ予知されるまでもなく想像つくだろう」って感じの予知という…。
それにキャラクターごとの日記の特性があまりない。原作だと「無差別日記」や「千里眼日記」など、日記ごとに名称と特性がありましたが、ドラマだとあまり差別化されていません。日記の媒体自体がすべて同じスマートフォンに統一されてますし(一人だけ例外もいますが)。由乃の日記が原作通りなのと、とある人物の日記が他人の日記を見れるくらい?「増殖日記」のようなものもありましたが、それは日記の能力ではない様子。
ただ、通り魔の日記だけは高性能でした。複数の殺人計画の予知を出す上に、各未来の殺人達成率がパーセント表示。…それ日記じゃなくてシミュレータじゃねーの?
逆に良かったと思うのは、「DEAD END」フラグの設定変更。原作では死の状況が表示され、奇跡を起こして回避すれば消えますが、ドラマ版では死ぬ状況が一切不明、回避条件は「他の所有者を倒すこと」。さらに、一度フラグが立つと予知の時間になるまで消えません。つまり、複数名に同時刻の「DEAD END」が出た場合、誰が誰にどう殺されるか、予知の時刻までわからない状態。実際に作中でそうなった場面が無いので本当かどうかは不明ですが、デウスによれば「DEAD ENDの時刻まで戦いが起きなかった場合、DEAD ENDフラグが立った所有者は全員死ぬ」とのこと。なので、戦わざるを得なくなる。これはハラハラ感があって良かったと思います。

  • 2週目の世界

原作・アニメでは1週目のバトルで神になった由乃による繰り返しの世界が舞台でした。ここが原作とドラマでの一番の違いで、ドラマでは、新太たちが未来日記による戦いに巻き込まれた世界はオリンピアと呼ばれる「仮想現実空間」でした。日記所有者たちは全員昏睡状態の患者で、医療補助システムに精神をログインした状態…というのが7話で明かされた真相。実は1話から既に伏線らしきものはあったんですよ、僕は全然気づきませんでしたが。真相が語られた段階でようやく「あああの演出はそういうことか!」と。原作では時空を総べる神だったデウスは、ドラマでは仮想空間の人工知能で、暴走し、現実世界でサイバーテロを起こしている存在でした。
6話で由乃以外が全員消失し、7話で仮想空間の事実が語られ、8話から新太以外は記憶をリセットされ、原作同様"繰り返しの世界"が始まりました。新太は未来日記による戦いを回避するために奔走する…と、設定は異なりますが、原作とよく似た展開になっています。

  • 全てを知っていた由乃

由乃は原作同様謎の多いキャラです。原作では1週目の由乃によって2週目の由乃が殺されていました。ドラマでも由乃は二人います。ただ、ドラマ版は繰り返される前から由乃は2人存在していました。そもそも、ドラマ版の繰り返しの世界はタイムリープではなく、記憶をリセットして仮想空間に再ログインするというものなので、同じ人間が複数存在することにはなりません。ですが、由乃は何故か2人います。一人は新太にストーキングし、もう一人はその由乃によって地下室に監禁されていました。そして、新太をストーキングしていた由乃は、この世界が仮想空間であることや、昏睡状態に陥る前のことを全て知っていました。一方、地下室に監禁されていた由乃は、1週目の世界で監禁から抜け出したのち、新太を殺害しています。もう何が何だか。
次回の放送で由乃の秘密が明かされるらしく、すごく楽しみです。がっかりするような微妙なオチじゃなければいいんですが…。


さて、ここからがある意味本番。このドラマの突っ込みどころを思いつく限り羅列します。いやもう本当に多いんすよ!突っ込みどころが!

  • 予知と違う出来事が起きたのに書き換わらない日記(1話の某シーン。それ以外では書き換わる)
  • 通り魔から由乃を庇うために"外から鍵がかかる部屋"に由乃を閉じ込める新太。開くだろそれ…
  • 戦闘シーン全般
  • これまで散々日記の予知を見てきたのに、4話になって日記の予知を信じない主人公達
  • 「銃で撃たれる」予知が出たのに「DEAD END」が出ないことに疑問を感じない主人公達
  • コピー日記が壊れるとコピー日記の所有者も消失
  • これまで日記を隠し通していたのにあまりにもあっさり日記を使っているところを見つかってしまう最後の所有者(兄の目の前で凄い堂々と見てた…)
  • 何かが閉じ込められてる部屋の鍵を開ける→携帯に着信→その部屋の中を確認せず、開けた鍵も閉めず放置したままその場を離れる新太の友人(ただしこれは伏線の可能性あり)
  • 所有者ではない人間が死亡後に消失。消失したことに疑問を覚えるまで1話かかった
  • とある所有者が瓦礫の下敷きに→日記破壊、所有者消失→瓦礫浮いたまま
  • 「感情が昂るとデウスに見つかる!」→怒鳴ったり叫んだり、どう見ても感情が昂ってるのにただ一人デウスに見つからない新太(他の所有者5名は取り乱してデウスに見つかって記憶消されました)
  • 8話「あなたはそんな酷いことが出来る人ではありません!」4話でその人は人を銃で打ったり入院患者を拉致監禁しています

今過去の放送を思い出して書きだしただけでこんなにあります。放送を見てる状態だともっとたくさんツッコミを入れた覚えがあるのでこれは氷山の一角です。脚本・演出の問題なのかなー…。
ただ、それでもやっぱり面白い作品だと思います。日記の低スペックと、この突っ込みどころさえなければもっと人気出たと思うので、そこは残念としか言いようがありませんが。
次のエピソードからまた話が大きく動くようですし、気になった方がいましたら、残り数話ですが試聴してみてはいかがでしょうか?

ちなみに、現在youtubeで公式に1話〜6話のダイジェスト映像が公開されているので、そちらの試聴もオススメです。というか、これと公式サイトの各話あらすじ読んどけば、大体状況は把握できると思います。


ナレーションはアニメ版で秋瀬或を演じた石田彰さんです。

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未来日記 Blu-ray限定版 第一巻

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